古今東西の性差別の歴史、象徴的な出来事などを紹介します。

■日本における男女不平等の歴史

「男尊女卑」という言葉がありますが、日本におけるこの傾向は、武家社会の時代に起因すると言われています。古代では卑弥呼の例を見ても、女性の地位は比較的高かったとされていますが、平安時代後期あたりから、仏教の普及の中で、修行僧に対する戒訓的な意味で女性排他の考えが生まれ、女性は武士や世継ぎとなる「男子」を生み出すためだけの存在と見なされるようになりました。江戸時代には儒教思想の影響から身分制度が確立し、女性の身分の軽視がさらに決定的なものとなりました。男子を家督とする武士社会の家族制度がそのまま引き継がれるかたちで、明治時代、大正時代と、男性が一家の大黒柱として働き、女性は家でそのサポートと家系をつぐための男子出産を役割とする風潮が続いていきました。男女差別が存在した主な分野には、
1.参政権:国政、地方行政ともに、男性のみに選挙権
2.労働分野:賃金格差、昇進制度の格差、女性の労働時間の制限など
3.宗教、文化分野:女性の土俵入りを認めない、祭などにおける女人禁制など
などがあり、昭和に入って起こった婦人参政権運動を皮切りに、少しずつ不平等の是正に向けて動きだすこととなりました。

■現在の男女格差はどうか?
現在、日本の法制度では、表向きの「男女格差」は存在しないことになっています。例えば職業の募集に関しても基本的には男女の差なく募集することが義務づけられましたし、賃金制度についても、女性であることを理由にした格差の設定を禁じています。ただし、実際の所得や企業内での昇進の実情など見てみると、まだまだ「男女平等」とはいえない状況が起こっています。例えば同じ職務を同じクオリティでこなせば、男女間の賃金に格差はないわけですが、結婚や出産による離職の懸念から、あらかじめ業務の与え方に差別があったり、配置そのものが女性に不利なように操作され、それが女性の昇進や給与アップを阻んだりしていることが理由と考えられています。その他、相撲の土俵に女性が入れないことは変わっていませんし、スポーツ界を見ても男女は明確に分かれ、パイロットの世界ではようやくはじめての女性パイロットが誕生した…など、いろんな場面で、男女格差と言える問題は現存しています。ただし、これらの問題については、男女差別ではなく、「能力評価」「伝統的な文化慣例」「男女の身体的差異の考慮」である、という捉え方があり、議論の分かれるところとなっています。その意味でいわゆる「男女格差」「男女差別」の問題と「ジェンダーフリー」は、論点そのものが違うということが言えるわけです。

■世界の「性差別」の現状
「男尊女卑」と言えば、日本独特の風習と勘違いされがちなのですが、実は欧米にも「男女格差」は古くから存在し、女性に参政権が与えられたのは20世紀に入ってからです。これには、キリスト教の考え方に「女性蔑視」が存在するから、など様々な学説があり、ただ日本よりも早く、その考え方からの脱皮ムーブメントが起こった、というだけの話なんですね。世界各国を見てみると、今でも「男女差別」と思われる風習や政策は現存しています。イスラム文化圏では、女性のスポーツ観戦の禁止や服装の制限(顔を隠すなど)、中国では、既婚女性の就職の制限、韓国では先祖供養の仕方が男女で違うなど、各国に大小の男女差別や格差が存在するようです。

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